入力・出力インピーダンス

前回、バイアス電圧の意味作り方と与え方を説明しました。

今回はそのへんの話でもチラリチラリと出てきた

インピーダンスについてちょっとだけ説明していきます。

実は入力インピーダンスとか出力インピーダンスとかいうのは、

バイアスの時に出てきた抵抗分圧の話と同じです。

インピーダンスってなんだ?

交流バージョンの抵抗値のことです。

今回は、かなり話を単純化して話しますので、

交流バージョンの抵抗値としか言いません。

もうちょい踏み込んだ話は、

入力インピーダンスを考え直す』で説明しています。

例えば、交流はコンデンサを通りますよね。

この時、実は周波数によって通り方が違うんですよ。

ギターの信号というのは、いろんな周波数の音が混じっています。

例えば、A弦の開放110Hzを鳴らしている時、

110Hz以外にも220、330、440Hz…と整数倍の音が混じっています。

これは俗にいう倍音ですが、

このまじり具合が、音色の違いになります。

さて、コンデンサは、周波数が高ければ高いほど通過させる働きをするので、

コンデンサにギターの信号を通すと、基本的にハイを通しローを減衰させる。

この現象をみると、

コンデンサが交流に対して、

「周波数によって値の変わる抵抗」に見えます。

このような交流に対しての抵抗値を総じて

インピーダンスと呼んでいます。

ちなみに、

コンデンサのインピーダンスのことを容量リアクタンス

コイルのインピーダンスのことを誘導リアクタンス

とも言いますので覚えておきましょう。

インピーダンスもオームの法則に従います。

また単に「なんとかインピーダンス」といった時は、

回路にあるコンデンサを抵抗値に変換したりして、

その周辺の抵抗値を合成した、

合成インピーダンスのことが多いです。

合成の仕方は、抵抗の合成の法則と同じです。

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コンデンサを抵抗に置き換える

さてコンデンサを抵抗に置き換えて話をしましょう。

ここが重要。

ですが、いくら話を聞いてもぱっとしないで、実践的に行きましょう。

入力、出力インピーダンスというモノがある

というふうに思いすぎて、重要なことを忘れがちですが、

なんとかインピーダンスというのは、どちらかというと概念です。

ちょっと回路図を見ながら話を進めていきましょう。

9Vはよくある、あの電池です。

A点の電圧は?

9Vになるでしょうか?

そら、抵抗の両足に9V電池つけてるんだから、9Vでしょ?

となるのが普通ですよね。

実はこれ、4.5Vです。

これが、インピーダンスの話の核です。

実は、電池には内部抵抗というものがあります。

本当にあるかどうかは別にして、内部抵抗がないとすると話が通らないので

物理学ではそういうものがあるとしています。

この9V電池の内部抵抗は、実は20Ωあります。

内部抵抗は、理想的(内部抵抗のない電源)に直列で抵抗を繋いだものとして表します。

ということで、本当はこういう回路図になっています。

電池の内部抵抗と外につけた抵抗で、分圧回路になってるんですね。

バイアスを作ったやり方と同じ仕組みで

9Vではなく4.5Vになってしまっている。

電源には必ず内部抵抗というのがあります。

外につけた抵抗を大きくしてみます。

分圧の比率がさっきと全然違うので、ほぼ電源の電圧のままになっています。

今ここで、この話を信号に置き換えると

電池の内部抵抗が出力インピーダンス、

横っちょの1Mの抵抗が入力インピーダンスにあたります。

というかもっと単純にいいますと、この電池の内部抵抗と全く同じ話が、

出力と入力でも起こっていて、電圧が下がる。

それでこの話を便利に考えるために、

入力インピーダンスと出力インピーダンスというものを

定義しよう!というふうになったというわけです。

図にするとこんな感じです。

要は、入力インピーダンスが小さいと、

さっきの話のように、電圧がさがります。

すなわち、9Vの信号を出力したのに、

出力インピーダンスと入力インピーダンスで分圧されて、

結局は4.5Vしか入力に入らないというわけです。

だから、入力インピーダンスは、出力インピーダンスに対して十分に大きくないとダメなわけです。

ダメというと言い過ぎな気もしますが、これがロー出しハイ受けの原則の理由です。

※ここで注意。

A点の先に負荷をつなぐと流れる電流が変わるので、

その電流の変化によって、電池の内部抵抗とのオームの法則で

電圧降下が変わります。

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もう少し具体的にいきます。


もう見慣れた回路ですよね。

さて、今インプットにひとつ前に繋がれたエフェクターから

信号が送られてきているとします。

エフェクターは、このとき電圧と電流をこのインプットに送ってきているのですが、

いわばこれは交流を吐き出す電源として見ても良いわけです。

ということで回路を拡張すると

こういう感じになります。

ひとつ前のエフェクターの出力インピーダンスが、10kだとします。

それを考えてもう少し回路を具体的に書くと

こうなります。

ここでさっきの電池の内部抵抗と全く同じ話をしたいのですが、

このままではインプットがややこしいです。

要は、下の回路図にように書き換えればさっきと同じ話ができます。

なので、入力部をこの回路図にように書き換えたいと思います。

まず回路をちょっと見やすくしましょう。


赤で囲ったコンデンサは容量が十分大きいので、

ギターの周波数帯域の交流では、抵抗値はほぼないことにします。(実は違う)

これはコンデンサのインピーダンス(リアクタンス)を求める式に容量を代入すればわかります。

というわけで、BIAS抵抗R3は交流的にGNDにつながっていることにします。

また、C1の容量が小さくなると、だんだんと低域でのインピーダンスが大きくなり、

バイアスの時と同じ抵抗分圧の要領で、低域が分圧されます。

ちなみにこれがハイパスフィルターの仕組み。また今度やります。

オペアンプ自体の入力インピーダンスRopは、

とても大きいので、R2とRopではほぼ分圧されない。

というわけでこれまた無視。

これを踏まえて、交流的に見て回路図を更に単純化すると、

こうなります。

R3はBIASにつながっていますが、コンデンサがあるので交流的には、

GNDにつながっています。

というわけで、R1とR3を合成します。

抵抗の並列合成の式、

\(\displaystyle \frac{ 1 }{ 2.2M } + \displaystyle \frac{1}{1M}= \displaystyle \frac{ 1 }{ Rmix }\)

よりRmix = 687.5k

このRmixが入力インピーダンスになります。

ちなみにkとかMとかは大丈夫ですか?

kは10の3乗、Mは10の6乗のことです。

1Mといったら、1 x 10の6乗で1000000Ωのことです。

R1とR3だけで決まる

今、約688kですので、これで出力インピーダンス10k、3Vp-pの信号が入ってきたとしても、


オームの法則で電圧降下を考えてもほぼせず、

約2.95Vp-pでほぼ出力そのままの電圧が増幅回路にはいるわけです。

こんな感じで入力、出力インピーダンスを考えます。

出力インピーダンス一定だとすると、

入力インピーダンスが下がれば下がるほど入力される電圧が小さくなります。

しかし、これまた大きくすればするほど良いかというとまた違うんです。

ノイズの問題もあります。

まとめ

次回はカップリングコンデンサとバイアス抵抗でできる、

HPF(ハイパスフィルター)の話をします。

また、ギターの出力インピーダンスは大きくても500kちょい超えぐらいですので、

500kぐらいは入力インピーダンスをとっておかないといけないですね。

さあ今回はこの辺までにしておきましょう。

次回、入力部最終回です。

ではまた。

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