クリッピングダイオード

今回は、クリッピングダイオードの話です。

まず、1つ注意する必要があります。

世の中にクリッピングダイオードという名前の素子があるわけではないということです。

ダイオードの性質を使って、波形を歪ませるとき、

そのダイオードのことをクリッピングダイオードと当ブログでは表現しています。

オーバードライブの回路

オーバードライブという名前で売られているエフェクターの多くは、

負帰還にダイオードが挟まってます。

これをクリッピングダイオードと当ブログでは呼ぶことにしています。

さて、ここにダイオードを入れるとどうして歪むのでしょうか。

まずは、前提として波形の歪みというのを見ていきます。

歪み = 波形の歪み

音は波形で視覚的に見ることができます。

波形が同じような形で、

横向き(時間軸)に拡大縮小したみたいなのであれば似た音色で、

音の高さ(周波数)だけが違います。

しかし、波形の形がガッツリ異なる場合、

音色が異なってきます。

音色の違いは、その音に含まれている倍音の違いによって生まれます。

ちょっと倍音調べてみましょう。

一番上のサイン波。

サイン波ですから、

周波数と同じ音しかでてないので、

倍音は出てません。

真ん中のノコギリ波

ノコギリ波です。

偶数次倍音、奇数次倍音とも、どちらもよく出ています。

というか、ノコギリ波はサイン波に周波数が

偶数倍の音と奇数倍の音を足してできる波形なので、

こうなるのは、原理上当たり前です。

一番下の矩形波

こちら矩形波ですが、奇数倍音しかでてません。

噂の真空管Nutubeを搭載した本家TS/サウンドハウスでチェック!
噂の真空管Nutubeを搭載した本家TS/サウンドハウスでチェック!

前提まとめ

それぞれの音をYoutubeで調べて聞いて見てください。

サイン波を聞いた後に、矩形波やのこぎり波を聞くと、

ギターを歪ませたときと同じようなニュアンスを感じるかも知れません。

何が言いたいのかといいますと、

ただ波形を変形させれば、倍音の出方が変わるということです。

波形的にいうと、元のギターの波形が変形し、

倍音が異常なほど増えることを

「歪んでいる」

と我々は表現しています。

歪みも一種の音色変化というわけです。

多分、元の波形をある程度保ちながら変形するので、

「ギター」が歪んでいるとわかるんじゃないですかね。

本題

オーバードライブは、上の僕の解釈でいけば

元の波形をある程度保ちながら、波形を変形させる機械です。

さてどのように変形させているのか。

このタイプのオーバードライブで考えていきます。

ダイオードのVfという値

ダイオードは両端間電圧が、

ある電圧を超えるとダイオードに電流が流れ始めます。

このある電圧はVfと表記されます。

ダイオードの両端間の電圧がVfをこえているとき、

負帰還に流れる電流がダイオード側に迂回します。

例えば、今この図ではR5が帰還抵抗ですが、

Vout – Vin = R5 x I の

Iの部分が、ダイオード側に迂回していき

Iはダイオードがない増幅回路と比べ小さくなる。

という感じで、増幅回路は出力電圧-入力電圧がVf以上にならないように動きます。

ということは、本来Vf以上になるはずだった波形の上の部分が、本来の大きさで出力されない。

波形の上と下が、変形するというわけです。

元の波形のまま増幅されず、波形が変形するというわけです。

この波形の変形こそが歪みの原因です。

要はVfより大きな出力はでない。

一種の過激なコンプレッサーのようなものという解釈でも良いかもしれません。

真空管を使ったコンプレッサー/サウンドハウスでチェック!
真空管を使ったコンプレッサー/サウンドハウスでチェック!

Vfの違い

ダイオードの種類によってVfが違います。

データシートに書いてあるので、

そちらでご覧いただければと思うのですが、

よく使われるシリコンダイオード、

1N914とか1N4148, 1N4002とかですね。

これがだいたい、0.5V-1.2Vぐらいですかね。

ゲルマニウムダイオード、1N60,1N270とかですね。

こちらはめっちゃ低くて0.1-0.3Vぐらいかな。

ショットキーなんかもそうですね。

LEDもダイオードです。

こちらは多少色によって違うんですが、

大体1.8V-3.6Vぐらいまであります。

Vfの違いで、コンプ感をかえることもできます。

なぜなら、

この増幅回路は、ダイオードのVf以上の電圧ができないように動作しているからです。

コンプ感を求めないのなら、LEDなんかが良いんじゃないでしょうか。

終わりに

よくLEDは荒っぽい歪みなどと言われますが、

電圧に対しての電流の変動の仕方が違うからでは?と思います。

上では、Vfを超えた瞬間に急にドーンと流れるみたいなふうに話しましたが、

実はそうでもないです。

ダイオード Vf 特性などで画像検索してみると、

ダイオードによって、

電圧に対しての電流値の変化の仕方が違うことがわかると思います。

急激な変化をするものや、ゆったりと変化するもの様々です。

このあたりがダイオードによる音の違いを生んでいるんだと思います。

いろいろ試してみて聴覚上どうかというのも大事ですね。

ではまた。

ちょいと変わったクリッピングのOD/サウンドハウスでチェック!
ちょいと変わったクリッピングのOD/サウンドハウスでチェック!

こんな記事も読まれています!