ゲインの設定 前編

これは結構モディファイなんかでも有名なので

知ってる方も多いかもしれない話です。

今回は、

オペアンプを使った非反転増幅回路でのゲインの設定方法を見ていきます。

とりあえず知っておかないとダメな話

オペアンプには、入力端子が2つありますが、

「この2つの入力端子間の電圧は0になる」

ということをまず知っておかなければなりません。

これをイマジナリーショートとか言ったりします。

簡単にいえば

「常にオペアンプの2つの入力端子は同じ電圧になる」

ようにオペアンプは動作するというわけです。

これはオペアンプの内部回路にある差動増幅回路の特性ですが、

この辺は勉強不足で今のところ解説できません。

とりあえず、

非反転入力端子(+)が2Vのとき、

反転入力端子(ー)も2Vになるようにオペアンプは動作します。

こういう事実があります。

この話はとりあえず受け入れてください笑

本題

0.2Vp-pの信号を入力するときのことを考えます。

ただいきなり時間の流れを考えるとややこしいので、

今、ポン!っとオペアンプの非反転入力端子(+)に0.2Vかかったとします。

時間をとめて考えてください。

直流的に考えるというわけです。

バイアス4.5Vをかけているので、+端子の電圧を測ると4.7Vです。

さきほどいったイマジナリーショートの話で、

オペアンプの反転入力端子(ー)も4.7Vになります。

つまり、B地点とGND間電圧は4.7Vです。

もっと言えばR5の両足間の電圧は0.2Vです。

R5の下側はBIAS(4.5V)ですから下の図のようになっています。

要は入力電圧が実質R5にかかっているようなもんです

この状態で、電流がどう流れるか考えてみましょう。

オームの法則より、R5に流れる電流は、

0.2V = 1000Ω x I

I = 0.2mA

つまり下の図のようになっています。

この0.2mAの電流はどこから流れてくると思いますか?

ちょっと今D1,D2,C2は無視してください。

A地点からは流れてくることはできません。

オペアンプの入力端子から電流がでてきたら変な話ですね。

入力から電流が出力されるのは変です。

とりあえず入力からは何も出ないことにしておいてください。

ということはR4側からながれてくることになりますね。

R4側から流れてくるということは、

C地点から流れてくるということですね。

オペアンプの出力から電流が流れてくるんです。

はい。ここでR4に電流が流れているので、

R4の両足間に電圧がかかっています。

オームの法則より

V = 10KΩ x 0.2mA

V = 2Vです。

R4の両足間には2Vかかっています。

R4の両足間に2Vの電圧がかかっているということは、

BIASから電圧を足していって、

BIAS4.5V, R5の両端間0.2V, R4の両端間2V,

4.5V + 0.2V + 2V = 6.7V

C地点とGND間電圧を測れば6.7Vになるというわけですね。

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実際は電圧は常に変動している

オペアンプで増幅をしている時、

確かに一瞬ずつ時間をとめてみると上のようになっています。

でも実際は、常に電圧は変化しています。

というわけで時間の流れを考慮しましょう。

BIASはいつになってもBIASで4.5Vです。

ゆえに変動するのは、

R4間の電圧とR5間の電圧です。

つまり、4.5V + (R4+R5の電圧変動)がオペアンプの出力にできる電圧です。

オペアンプに何も入力されていない時は

まず、オペアンプの出力からバイアス側に電流はながれませんよね。

入力がないとき非反転入力端子(+)は4.5Vゆえにイマジナリーショートで

反転入力端子(-)も4.5V。ということはR5の両端に電圧はかからない。

R5に電流は流れない。つまりR4にも流れない。R4に電圧は発生しない。

だから、なにも入力されていないとき、理論上はオペアンプの出力端子も4.5Vです。

電流が流れないところの電圧は同じという原則です。

バイアスを与えるときにやりましたよね。

なので、でてきた6.7Vは4.5V中心の信号ですので、

0.2Vが2.2Vになったというわけです。

交流ですので、この直流的な考え方はやめて、

4.5V中心にいれた0.2Vp-pの信号が、4.5V中心の2.2Vp-pになってでてきた、

入力端子の「変化」が「大きな変化」としてオペアンプの出力にあらわれる

という感覚です。

これを増幅というわけですね。

ゲインの計算

ゲインというのは増幅率のことです。

入力の変化が出力に何倍の変化として出力されるかという

何倍の部分です。

例えば0.2Vp-pの変化が2.2Vp-pになれば、

これは11倍のゲインです。

では今回11倍になった理由を考えましょう。

ちょっと段階的に考えましょうか。

R5の両端に電圧がかかることがスタートですね。

R5に電流が流れる

ということはR4にも同じ電流が流れている。

ということはR4に電圧が発生している。

ということで出力にはBIAS+R5の両足間電圧+R4の両足間電圧が現れる。

これが流れですよね。

ということはR4に電圧が発生している。

ということで出力にはBIAS+R5の両足間電圧+R4の両足間電圧が現れる。

これを数式化

R5両端の電圧は入力の電圧と同値ですよね。

ということで入力電圧をVinとして、

R5の両端の電圧もVinです。

R5に流れる電流はオームの法則より

Vin = R5 x I

R4にもIだけ電流がながれているのでオームの法則より

R4両端間の電圧 = R4 x I

すなわち

R4両端間の電圧 = \(\displaystyle \frac{ R4 \times Vin }{ R5 }\)

4.5V中心の出力Voutは

R5の両端間の電圧 + R4の両端間の電圧で

R5の両端間の電圧はVinなので

\(\displaystyle Vout = Vin + \frac{ R4 \times Vin }{ R5 }\)

ゲインは増幅率で、 \(\displaystyle \frac{Vout}{ Vin }\) のことなので、

先ほどの式の両辺をVinでわって

\(\displaystyle \frac{Vout}{ Vin }\) = \(\displaystyle 1 + \frac{ R4 }{ R5 }\)
もう簡単ですね。

非反転増幅の回路ではゲインは\(\displaystyle 1 + \frac{ R4 }{ R5 }\)できまるんです。

とりあえず、今回はここまでにしておきましょう。

次回は、ゲインを可変にするときに注意しなければいけない事など

もう少し実践的な話をしたいと思います。

では、次回もお楽しみに。

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