入力インピーダンスを考え直す

以前、『入力・出力インピーダンス』のところで、

インピーダンスについて概要を説明しました。

で、今日はもう少し踏み込んだ話をしたいと思います。

基礎的なことをおさらい

入力インピーダンスが高いと、その入力に流れる信号電流は小さくなる。

言い換えると、入力インピーダンスは、入力に流れる信号の電流量を制限する。

電流量が制限されるということは、入力される電圧も制限される。

これは、信号の出力インピーダンスと回路の入力インピーダンスにより分圧回路が生じ、

入力される信号電圧が小さくなるということである。

そして大事なことは、入力インピーダンスは回路に必ず存在するということである。

そしてもう一つ大事なことはインピーダンスという言葉を使っており、

抵抗値と言わないことである。

なぜ、インピーダンスというのか?

それは色んな要素が関係して、入力インピーダンスを作っているからである。

だから、厳密にいうと、入力抵抗とは言わない。

これぞ入力インピーダンスというのが分かる回路がある。

次の例をみてみよう。

Z1は信号の出力インピーダンスである。

Vinが信号なのだが、2Vp-pとする。

C1から右が入力回路である。

さて、この回路の入力インピーダンスはどうなっているでしょうか?

オペアンプの入力抵抗は無限大とします。

GNDにつながっている抵抗がR2だけだから、

C1を無視するとして、R2すなわち1Megだ!

とすると残念なんですね。

これ以降、話が分かりにくくなるので、

一旦C1のリアクタンスについては無視します。

この回路の入力インピーダンスは、

実はR1とR2の並列合成値になります。

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交流的電位と直流的電位?

なぜR1とR2の並列合成値になるのでしょうか?

よくある説明だとこうです。

R1の先には、9Vがつながっているが、

これは直流的な電位であり、

しかも、電源部分の回路を見ると、C2がある。

つまり交流的には、+9Vと書いたラインと、GNDの間にはほぼインピーダンスはない。

すなわち、交流的にみれば、9VはGNDとショートしているようなものなので、

+9Vも交流的には、GNDだからである。

つまり、R1もR2もGNDにつながっているので、

この並列合成値が入力インピーダンスになるという話…

というのが、よく聞く説明であるし、普通これで十分である。

しかし、今回は少し違う考え方をしたい。

電気は電気じゃないか….

直流的にみると電位が9Vとか言うが、

直流も交流も同じ電気ではないか?という疑問がある。

だから、直流的な電位とか、交流的な電位とか分けるのは本来変なんじゃ?と

思う人もいるだろう。

つまりですね、

電位が高いところから低いところに電流は流れる(電池は除く)のであって、

いくら交流的に、+9vラインが接地されているからといって、

信号から、R1に電流は流れないでしょうという立場にたって考えてみたい。

入力インピーダンスと出力インピーダンスによりVinは分圧される。

実際の入力電圧をV1とする。

また、文字式で表したいので、+9VはVsと表記する。

そうすると、バイアス電圧は、丸で囲った式になる。

オームの法則から導き出した。

うす紫で塗った部分の電位(以降もGND基準)は、

バイアスに重畳した入力電圧なので、

\(\displaystyle \frac {R2}{R1 + R2} \times Vs + V1\) となる。


ここでR1に流れるI1を求めたい。

R1の端子間の電位差は、

\(Vs – \left( \displaystyle \frac {R2}{R1 + R2} \times Vs + V1 \right) \)となる。

オームの法則より、

\(Vs – \left( \displaystyle \frac {R2}{R1 + R2} \times Vs + V1 \right) = I1 \times R1\)

これを解くと

\(I1 = \displaystyle \frac {Vs}{R1 + R2} – \displaystyle \frac {V1}{R1}\)

次に、R2に流れる電流I2を求めたい。

R2の端子間の電位差は、

\(\displaystyle \frac {R2}{R1 + R2} \times Vs + V1 \)

オームの法則より、

\(\displaystyle \frac {R2}{R1 + R2} \times Vs + V1 = I2 \times R2\)

これを解くと

\(I2 = \displaystyle \frac {Vs}{R1 + R2} + \displaystyle \frac {V1}{R2}\)

これをまとめなおすとこんな感じになる。

大変おもしろい。

キルヒホッフの法則でみると…

ここでキルヒホッフの法則を適応したい。

キルヒホッフの法則とは

流れ込む電流の大きさの総和 = 流れ出る電流の大きさ総和

という法則だ。

V1が正のときを考えると、

I2の方がI1より大きくなっている。

つまり、I1に謎の電流Ixが流れ込みI2になったということである。

謎の電流Ixはどこからくるのか?

というとそれはC1方向からしかない。

つまり、C1には電流が流れている。

ところで、Vinを交流電源とみなすと、

その電源の上に直流でバイアス分充電されたコンデンサがのっている。

言い換えれば、交流電源の上に電池(C1のこと)がのっている。

交流電源に電池が直列でつながっているようなものである。

ということは、

信号源Vin、信号の出力インピーダンスZ1、C1をひっくるめて、

電源として等価的にみてもいいだろう。

単純に、BIASを中心とする交流電源

しかも電源というのは、電位が低いところから高いところへ電流を流す役割をしている。

というか、それこそが電源である。

こういう状況。

図は、V1が正のときの電流方向。

さて、こっからです。

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Vinが正のとき

V1が正のときはVinが正である。当たり前。

キルヒホッフの法則より

\(I1 + Ix = I2\)

すなわち

\(Ix = I2 – I1\)

I1,I2にそれぞれ代入して、

\( Ix= \displaystyle \frac {V1}{R2} + \displaystyle \frac {V1}{R1}\)

整理して

\( Ix= \displaystyle \frac {R1 + R2}{R1R2} \times V1\)・・・(1)

ここで、Zinを入力インピーダンスとすると、

オームの法則より

\(V1 = \displaystyle \frac {Zin}{Z1 + Zin} \times Vin\)・・・(2)

\(Vin = Ix \times \left(Z1 + Zin \right)\)

変形して

\(Ix = \displaystyle \frac {Vin}{Z1 + Zin} \)・・・(3)

が成り立つ。

(1)に(2)を代入してV1消去すると、

\( Ix= \displaystyle \frac {R1 + R2}{R1R2} \times \displaystyle \frac {Zin}{Z1 + Zin} \times Vin\)

これに(3)を代入して、Ixを消去すると、

\( \displaystyle \frac {Vin}{Z1 + Zin} = \displaystyle \frac {R1 + R2}{R1R2} \times \displaystyle \frac {Zin}{Z1 + Zin} \times Vin\)

これをZinについて解くと

\( Zin = \displaystyle \frac {R1R2}{R1 + R2}\)

となり、R1とR2の並列合成値であることがわかる。

Vinが負のとき

V1が負のときはVinが負当たり前。

\(I2 + Ix = I1\)

より

\(Ix = I1 – I2\)

I1,I2にそれぞれ代入して、

\( Ix= -\displaystyle \frac {V1}{R2} -\displaystyle \frac {V1}{R1}\)

整理して

\( Ix= -\displaystyle \frac {R1 + R2}{R1R2} \times V1\)・・・(4)

オームの法則よりVinと入出力インピーダンスの関係式をつくりたいが、

電流の方向に留意しなければならない。

電流の方向を考えて式を立てると、

\(Vin = -Ix \times \left(Z1 + Zin \right)\)

変形して

\(Ix = – \displaystyle \frac {Vin}{Z1 + Zin} \)・・・(3)’

Vin正のときと同様に(4)に(2),(3)を代入してZinについて解くと、

\( Zin = \displaystyle \frac {R1R2}{R1 + R2}\)

となり、R1とR2の並列合成値であることがわかる。

まとめ

すなわち、Vinが負であろうがなかろうが、入力インピーダンスは同じである。

当たり前っちゃ当たり前。

また、今回Vinが0のときは考えなかったが、

そのときは電流が流れないので、

インピーダンスとか関係ないというわけです。

こうやって、みてみるとやっぱり電源は交流的にみてGNDといえるということがわかります。

いやー疲れた….

今回の話は回路を設計する上では、あまりどうでもいい話なので、

ここまで読んでくれた人は本当にありがとうございました。

ではまた。

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